大阪の串カツの起源は、昭和初期の新世界に遡ります。1929年(昭和4年)、新世界の屋台で「串カツだるま」初代・百野利夫氏が、肉体労働者向けに「安くて美味しい一品」として串に刺した牛肉を揚げて提供したのが始まりとされます。客が一斉に同じソース壺を使うため衛生面から生まれた「二度漬け禁止」の文化も、この屋台文化の名残です。

以来、新世界・通天閣エリアを中心に大阪全土に広がり、現在は道頓堀、難波、梅田、心斎橋、北新地など、各エリアにそれぞれの個性を持つ串カツ店が密集しています。一本100円台から数百円という気軽さで、ビール片手にハシゴできる——それが、地元民にも観光客にも愛され続ける理由です。

大阪串カツには、決まった「正解」のスタイルはありません。だるま系の薄衣サクサク、八重勝系のたっぷり衣、北新地のミシュラン高級店、新世界の食べ放題カジュアル系——どれもが「大阪の串カツ」です。それぞれの店主一人ひとりが、独自の衣・油・ソースをつくり続けてきた大阪らしい串カツだと、私たちは思うのです。